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癒離クモ膜炎、腰部脊柱管狭窄症で障害厚生年金3級から額改定請求し障害厚生年金2級に認められたケース

ご相談にいらした状況

相談者は、現在62歳で以下の3つの受給権を有していました。年金については1人1年金が原則となっていることから、今後の相談について、来所されました。
1.障害厚生年金3級
2.特別支給の老齢厚生年金
3.障害者特例
現在は、1から3の受給権のうち、最も金額が高い3.の障害者特例から給付を受けていました。
現在、症状が悪化しており、仮に障害厚生年金3級が2級になり、給付額が障害者特例の金額を上回れば額改定請求を行いたいとのことで来社されました。

社労士阪本による見解

まず、それぞれの制度について説明すると
1.特別支給の老齢厚生年金
  昭和60年の法律改正により、厚生年金保険の支給開始年齢が60才から65才に引き上げられました。支給開始年齢を段階的に、スムーズに引き上げるために設けられたのが「特別支給の老齢厚生年金」の制度です。
「特別支給の老齢厚生年金」を受け取るためには以下の要件を満たしている必要があります。
・男性の場合、昭和36年4月1日以前に生まれたこと。
・女性の場合、昭和41年4月1日以前に生まれたこと。
・老齢基礎年金の受給資格期間(10年)があること。
・厚生年金保険等に1年以上加入していたこと。
・60歳以上であること。
また、「特別支給の老齢厚生年金」には、「報酬比例部分」と「定額部分」の2つがあり、生年月日と性別により、支給開始年齢が変わります。

2.障害者特例
・特別支給の老齢厚生年金を受給できる方のうち、報酬比例部分のみを受給できる方にさらに定額部分を受給できるという制度です

3.額改定請求とは、障害年金を現在受給している方で、障害の状態が悪化した場合、障害等級の見直し(年金増額)を請求することができることをいいます。原則として、受給権を取得した日又は診査を受けた日から起算して1年を経過した日後でなければ、額改定請求できないこととなっています。※

障害の程度が明らかに増進したと認められる場合については、1年の待機期間を要しない例外があります(厚生労働省令で定められています)

受任から申請までに行ったこと

障害厚生年金2級と障害者特例の金額を計算したところ、障害者特例による給付の方が、金額が多いことがわかりました。

ここで重要になるのが額改定請求の制度です。というのも額改定請求制度は65歳になる(老齢基礎年金を受給する)までに、一度でも2級以上の等級に該当しない方は、65歳以降は額改定請求をすることができないという制度になっています。進行性の疾病の場合、65歳以降も症状が悪化するケースが多く、場合によっては1級に認定されることもあることから、65歳までに障害等級2級以上に該当していることが重要となります。

注)あきらかに上位等級への変更が無理な場合は、額改定請求を見送る必要があります。というのも額改定請求が認められず、等級が従前のままとされた場合、次回額改定請求ができるのが額改定請求日の1年後の同日の翌日となります。当該期間に症状が悪化していても請求できないこととなりますので、注意が必要です。

結果

障害厚生年金2級に認められました。1級の金額は2級の金額の1.25倍(加給年金額を除く)になります。

今回のケースでは65歳までに2級以上となりましたので、65歳以降も1級への改定が可能となります。

年金制度は非常に複雑で一般の方がスムーズに、かつ正しく申請を行うことは非常に困難ですので、そういうことからも専門家である社会保険労務士に相談されることをお勧めします。

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