皮膚科でのイボ症状を初診日として認められAIDS(後天性免疫不全症候群)で障害厚生年金2級を受給できたケース
ご相談にいらした状況
数年前に年金事務所で障害年金の相談をしたところ、初診日はHIVと診断された日であり、当該日では保険料納付要件を満たさないため、障害年金の申請はできないと案内があったとのことで、申請を諦めていました。
別件で年金事務所を訪れた時に障害年金の話になり、再度相談したところ初診日は、最初に病院を受診した日であるので請求してみてはと言われ、再度手続きを進めていましたが、体調も優れず、過去に通院した病院を探すのも大変で病歴・就労状況等申立書の書き方によっては初診日について、誤解を受けてしまうケースもあるので慎重に記載してくださいと言われ、自力での請求も難しいことから、当センターにご相談がありました。
社労士による見解
HIVとAIDS は、それぞれ意味が異なります。
HIVは「ヒト免疫不全ウイルス」なので、ヒトを免疫不全の状態にいたらしめるもので、免疫力を低下させるウイルスです。HIVに感染しても、すぐに免疫不全状態になるわけではありません。感染してから発症までは1~10年程度かかると言われています。そのため、「HIVには感染しているが、AIDSはまだ発症していない」状態があります。
そしてAIDSとは、後天性免疫不全症候群の略症で、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が人の免疫細胞を破壊し免疫不全を起こす病気で、ウイルスに感染して起こる病気のことです。初期症状として、発熱、リンパ節の腫れ、咽頭炎、皮疹、筋肉痛、関節痛等で、風邪のような症状と似ています。
そのため、最初に病院を受診した日である初診日の特定が難しく、難航するケースが多くなっています。
受任から申請までに行ったこと
まず、初期症状と思われる症状があった年月と病院を整理しました。心当たりのある病院で症状等を確認しました。心当たりがある病院があり、確認したところHIV感染者との性行為があった2か月後に右耳介前部にイボのような皮疹ができた経緯があり、皮膚科を受診していた経緯がありました。
当該皮膚科では、数回通院したのちイボのような皮疹はなくなったことから、HIVの初期症状である可能性が高いと考え当該病院を初診日として請求を行いました。
また、主治医の意見書や国立感染症研究所の資料など初期症状として現れる症状を記したものも添付しました。
結果
障害厚生年金2級に認められました。
AIDS(後天性免疫不全症候群)での請求は初診日で難航するケースが見受けられます。HIVに感染してから発病までの期間が長い場合は、当時の記憶も曖昧で初期症状と思われる病院を確認できたとしてもカルテが廃棄されていることも多く初診日を証明できないケースも多いです。
そういうことからも専門家である社会保険労務士に相談されることをお勧めします。
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