初診の病院でカルテは廃棄されていたが、膀胱癌で障害厚生年金2級を受給できたケース
ご相談にいらした状況
最初は自覚症状がなく起床時にトイレに行ったところ血尿が出たとのことで、近医の泌尿器科を受診。
当該病院で膀胱癌を疑われ、大きな病院で精密検査を受けるよう言われ、受診しました。
当該病院で精密検査を行うも確定診断がつかず、一旦経過観察となりました。医師から定期的に通院するよう言われていましたが、仕事が忙しくなり、また自覚症状もなく血尿も止まったため通院を一旦中断されていました。5年くらい経過したある時、腰痛を発症し、仕事ができないほどの激痛となり整形外科を受診。当該整形外科で治療を受けるも症状の回復が全く見られないことから精密検査を実施したところ、腫瘍が腰にまできていることがわかり、再び前医を受診。検査の結果、膀胱癌と判明し、骨、肺、リンパ、脳にも癌が転移もしており、ステージ4の末期癌で余命3ヶ月と余命宣告がありました。
すぐに入院となり、抗がん剤治療などを実施。障害年金の手続きは、家族の方が進めることになりましたが、申請の仕方が難しく、余命3ヶ月で一刻も早くの申請を望まれていたことから、ご依頼いただきました。
社労士阪本による見解
障害年金を請求してから、結果が出るまで約3ヵ月半(障害厚生年金)程度となっています。
請求中に亡くなられた場合でも支給が認められれば、亡くなった月分までの年金については、未支給年金としてその方と生計を同じくしていた遺族が受け取ることができます。また、重要となってくるのが、障害年金請求者死亡後の遺族年金の取り扱いです。
遺族厚生年金※が支給されるのは、次の条件のいずれかに当てはまる場合です。
①厚生年金の被保険者が死亡したとき
➁厚生年金保険の被保険者である間に初診日がある病気やけがが原因で、初診日から5年以内に死亡したとき。
③障害の程度が1級・2級の障害厚生年金を受けている人が死亡したとき。
④老齢厚生年金の受給権者または老齢厚生年金を受けるために必要な加入期間の条件を満たしている人が死亡したとき。
③については、障害年金(1級又は2級)を受けている者の遺族が対象になります。余命が少ないので、もう障害年金を請求しないといったことを耳にするケースがあるのですが、①➁④の要件を満たさない場合は、必ず請求しておきましょう。
※遺族基礎年金は別途要件があります。
受任から申請までに行ったこと
初診の病院である泌尿器科に受診状況等証明書を依頼しましたが、すでにカルテは廃棄されていました。何か受診していた経過が残っていないか、確認したところレセプトコンピューターデータや次の病院に書いた紹介状が残っていましたので、写しをいただきました。
結果
障害厚生年金2級に認められました。
今回は、初診時の病院でカルテが廃棄されていましたが、初診日を証明できる客観的な資料が見つかりました。当該資料の内容によっては、初診日として認められない場合もあります。どのようなものが初診日を証明できる客観的な資料になるのかは、経験等が必要になりますので、専門家へ相談されることをお勧めします。
新着情報の関連記事はこちら
- 年末年始の休業について
- ADHD(注意欠如・多動性障害)で障害年金を申請するポイントや注意点を社労士が解説
- GW期間中の営業日について
- 年末年始の営業時間のご案内
- 就労移行支援事業所で障害年金の勉強会を開催いたしました!
- 10月19日(木)国際障害者交流センター(ビッグ・アイ)にて相談会を開催いたします。
- 産経新聞社「暮らしのミカタ~社会保険労務士相談室~」に阪本のインタビューが掲載されました!➂
- 産経新聞社「暮らしのミカタ~社会保険労務士相談室~」に阪本のインタビューが掲載されました!②
- 5月19日(木)にプルデンシャル生命保険株式会社にて勉強会を実施いたしました
- 2021.2 .22発行 ぎょうけい新聞社「士業プロフェッショナル」に掲載されました
- 令和3年3月分から児童扶養手当と調整する障害基礎年金等の範囲が変わります
- TVホスピタル2019年3月号vol.56の紙面に相談会告知しました
- 12月6日(木)貝塚市民福祉センターで無料相談会を開催します
- お客様の声 2017年9月
- お客様の声 2017年8月
- お客様の声 2017年7月
- 障害年金の種類
- お客様の声 2017年6月
- お客様の声 2017年5月
- 堺で障害年金の認知活動を行っています
- お客様の声 2017年4月
- お客様の声 2017年3月
- お客様の声 2017年2月
- 9月4日に産経新聞に掲載されました!
- 10月1日より、事務所移転のお知らせ
- 平成28年6月1日より代謝疾患(糖尿病)による障害の障害認定基準が改正されます。
- 【完全予約制】無料相談会開催@ビッグ・アイ(4~5月)