パーキンソン病によるウェアリング・オフ現象やジスキネジアで日常生活に大きな支障 障害厚生年金2級が認定された事例
ご相談にいらした状況
相談者は、かかりつけの整形外科で別の疾患で通院していたところ、左手の動かしづらさや手指の震えなどの症状が現れたことをきっかけに、最終的にパーキンソン病と診断されました。当初は仕事をしていましたが、徐々に症状は進行し、電話応対で言葉が滑らかに出ない、字を書いても判読できない、荷物を持つと落としてしまう、歩行時に転倒が増えるなど、日常生活と就労の両面で大きな支障が生じていました。また、薬物治療を続けていたものの、次第に薬の効果時間が短くなり、1日6回服薬しても3時間ほどで効果が切れてしまう状態(ウェアリング・オフ現象)となっていました。薬効が切れると、立ち上がることや歩行がほとんどできなくなり、介助がなければ生活が困難な状況にまで悪化していました。さらに、薬が効きすぎる時間帯には、自分の意思とは関係なく手足が動いてしまう「ジスキネジア」の症状も出現していました。
社労士阪本による見解
相談者は、ご相談時点では就労を継続されていたものの、実際には薬が効いている限られた時間帯に何とか勤務を続けている状態でした。電話応対が難しい、文字を書いても判読できない、荷物を持てない、転倒が増えているなど、日常生活と仕事の両面で支障が顕著に現れていました。特に、薬の効果が切れると立ち歩くことができず、介助がなければ生活が困難になるという点は、パーキンソン病特有の症状変動の重さを示していました。さらに、服薬回数が増加しても効果時間が短くなっており、ウェアリング・オフ現象が進行している状況も確認できました。これらの事情から、症状の日内変動や生活実態を丁寧に整理して申請することで、障害年金が認められる可能性は十分にあると考えました。
受任から申請までに行ったこと
本件で特に重要だったのは、「初診日」の整理でした。相談者は、以前から通院していた整形外科でパーキンソン病とは別の症状の治療を受けていましたが、途中からパーキンソン病の初期症状が出現しました。そのため、単純に整形外科の初回受診日を初診日とするのではなく、「パーキンソン病の症状で受診した日」を初診日として医療機関に正確に証明していただく必要がありました。
また、病歴・就労状況等申立書では、薬効による状態変化や、ウェアリング・オフ時にどれほど生活が困難になるかを具体的に記載しました。加えて、相談時は要支援1だった介護認定が、申請時には要介護2へ変更されていたため、その経過も重要な事情として反映し、介護保険証も添付しました。
さらに、日本年金機構から主治医への照会が入った際には、ウェアリング・オフ現象や重症度分類について、適切な回答をいただけるよう対応しました。
結果
結果、障害厚生年金2級が決定しました。症状の日内変動が大きいパーキンソン病では、診察時だけでは実際の困難さが伝わりにくいという難しさがあります。本件では、ウェアリング・オフ時の状態や介護の必要性、就労継続の実態を丁寧に整理・立証できたことが、適切な認定につながった事例といえます。

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