【大阪市・50代】遷延性植物状態の認定日特例で障害厚生年金1級を受給した事例
ご相談にいらした状況
ご本人は脳幹梗塞により遷延性植物状態となり、意思表示ができない状態のため、ご家族が代理で障害年金の申請について相談に来られました。
ご本人は厚生年金に加入し、専門職として長年勤務されていました。令和7年春頃、発熱などの症状があり、当初は新型コロナウイルス感染症を疑って耳鼻咽喉科を受診し、自宅で療養していました。しかし、その後勤務先から連絡が取れないとご家族に電話があり、自宅を訪れたところ、意識を失って倒れているご本人を発見。救急搬送された病院で脳幹梗塞と診断されました。
搬送翌日には心肺停止となり蘇生しましたが、脳幹への重篤な障害により自発呼吸ができなくなり、人工呼吸器による管理が必要となりました。その後、専門病院へ転院し、昏睡(遷延性植物状態)と診断され、症状固定後も意識の回復はなく、自発呼吸も認められない状態のため、人工呼吸器による呼吸管理、経管栄養、感染症に対する治療が継続されており、改善の見込みはない状況でした。
以降は、ご家族が生活面・医療面を全面的に支える状況となりました。仕事は休職扱いとなり傷病手当金を受給していましたが、長期療養による経済的不安も大きく、障害年金だけでなく、傷病手当金との調整など、今後の生活を見据えた相談も行いました。
社労士阪本による見解
ご本人は脳幹梗塞によって遷延性植物状態となり、自発呼吸ができず人工呼吸器管理を要する重篤な状態であることから、障害年金の受給対象となる可能性が高いと判断しました。
本件で特に重要だったのは、遷延性植物状態に係る障害認定日の特例の適用です。
通常、障害年金は初診日から1年6か月経過した日が障害認定日と規定されていますが、遷延性植物状態については一定の要件を満たすことで特例が適用されます。
具体的には、以下を満たした場合、症状固定日が障害認定日となります。
・遷延性植物状態の診断基準6項目を満たした日(起算日)が診断書に明確に記載されていること
・その起算日から3か月以上経過した日以後に、症状が固定していること
本件では、この特例が適用できる可能性があると判断し、通常より早い認定日で請求できるよう対応しました。
受任から申請までに行ったこと
ご家族から発症当時の状況や治療経過を丁寧に伺い、病歴・就労状況等申立書を時系列で整理しました。また、最大のポイントである遷延性植物状態の認定日特例を適用できるかどうかを慎重に検討しました。
特例の適用には、診断書へ遷延性植物状態の診断基準6項目を満たした起算日が明確に記載され、起算日から3か月以上経過した時点で症状固定していることが確認できる必要があります。そのため、診断書の記載内容を細かく確認し、医療機関へ依頼すべき事項を整理しながら、特例要件を満たす内容となるようサポートしました。
さらに、本件では当初、新型コロナウイルス感染症が疑われていた経緯がありましたが、受診された耳鼻咽喉科の受診状況等証明書を取得することにより、陰性であったことが判明しました。そのため、請求傷病との因果関係など、初診日の整理についても慎重に検討し、適切な初診日で請求できるよう必要書類を整えました。
結果
結果、遷延性植物状態の認定日の特例が適用され、障害厚生年金1級が認定されました。
通常は初診日から1年6か月を待つ必要がありますが、認定日特例を適用できたことで、症状固定日を認定日として請求を行うことができ、早期にご本人・ご家族の経済的負担を軽減することにつながりました。
現在もご本人は人工呼吸器管理下で療養を続けていますが、障害年金の受給が決定したことで、継続的な治療や介護に伴う経済的不安が軽減され、ご家族にとっても将来の生活設計に大きな安心をもたらす結果となりました。

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