社会的治癒で初診日が変更となり、うつ病で障害基礎年金2級が決定し、5年遡及も認められたケース
ご相談にいらした状況
過去にうつ病と診断され精神科を通院していましたが、調子がよくなったため、それからは病院に通院しなくなったとのことでした。
それから9年後にうつ病が再発したとのことで、現在は、仕事も全くすることができず、引きこもりの状態となっており日常生活にも多くの援助が必要となっていました。
障害年金の申請は、ご家族の方が進めておられましたが、手続きが複雑で一向に進まないことから無料相談会に参加されました。
社労士阪本による見解
障害年金請求において、初診日は非常に重要となります。初診日に加入していた制度(国民年金又は厚生年金)により障害基礎年金での請求なのか、障害厚生年金での請求なのかが決まり、保険料も初診日を基準に納付要件を満たしているかどうかで、請求できるのかが決定されます。
障害年金には、社会的治癒という考え方があります。
社会的治癒とは、医療を行う必要がなくなって社会復帰している状態をいいます。
この判断は、一般的な社会生活、日常生活が送れるか否か、就労が可能か否か、就労している場合はその状況は一般的な労働者と同等のものといえるか否かといった事情に加え、傷病の内容、病状、病歴、先発傷病の終診から後発傷病発症までの期間といった医学的事項も考慮し、総合的な見地から社会通念に従って行うべきとなっています。
社会的治癒が認められると後発傷病発症日が初診日になります。今回のケースでは、先発傷病を基準に請求した場合、認定日時点では、調子が良くなって通院をしていませんでしたので、診断書は取得できず遡求請求はできないことになります。
一方、後発傷病発症を基準に請求した場合は、認定日時点でも診断書が取得することができ遡求請求が可能となります。
受任から申請までに行ったこと
社会的治癒での申請となると、後発傷病発症時点の受診状況等証明が必要になりますので、医師に事情を説明し、当該証明書を書いてもらいました。
また、診断書についても後発傷病発祥時点から認定日時点で取得しました。
病歴・就労状況等申立書は、先発傷病の終身から後発傷病発症までの就労状況や日常生活状況を本人やご家族の方からヒアリングし、治癒していた状況を記載しました。
結果
障害基礎年金2級に認められました。
社会的治癒は、必ず認められるとは限りませんが、今回は認められ5年遡求が決定しました。
障害年金の請求方法は複数あり非常に難しいです。そういうことからも専門家への相談をお勧めします。
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